わたしのフィリピン青年海外協力隊日誌

2018年11月~2020年11月の二年間、JICA海外青年協力隊、コミュニティ開発隊員としてサマール島に派遣。バセイ町役場農業課に勤務。地域のおばちゃんたちと生計向上プロジェクトに奮闘中。現地弁、ワライワライ語にも奮闘中。

大統領について

皆さんご存知、2016年に就任したドゥトルテ大統領が我がフィリピンの大統領です。
タブートピックかもしれないけど簡単に書きます。


日本では批判的な報道が多いけれど、こっちに来て見方が変わりました。
ドゥトルテさんは実はけっこうやり手な方で、中国との距離感やら国づくりやらなかなか上手だなんだなと思って見ています。
彼が掲げている目標は「Build Build Build」です。つまり、建てまくれってことですね。

この記事とても分かりやすかったです。

www.nikkei.com

インフラに投資して雇用を生み出す。フィリピンは東南アジアの中でも稀に、人口ピラミッドは今でも下広がりの三角形です。つまり、子どもを産みまくって若い労働力もたくさんあります。しかしフィリピンには企業がありません。マニラなど首都兼は海外資本の企業が沢山ありますかが、純フィリピン資本でできた企業をほとんど見ません。産業を支える日系製造業企業のような会社もほとんど見たことがありません。地方都市さえも企業数はとーーーても少ないです。会社の数が少ないため働くところも少ないです。この雇用機会の創出はフィリピンにとって最も必要なもののひとつだと、日々周囲を見ていて思います。本当に人が余りに余りまくっています。マイナビみたいな求人サイトが無いのは当たり前ですが、大学出ても就職先なく2年くらい空き席できるの待っている状態が普通です。
フィリピン人の職業については「職について編」で今度話しますね。


汚職撲滅にもかなり力を入れてます。フィリピンは汚職が文化と言われるほど蔓延っていて、私の住んでいる小さいエリアでさえもお金の行き交いを見たり聞いたりすることが多いです(農村部の汚職は貧困ともつながっていのかなと感じます)。で、大統領は警察やら政府内やらの膿潰し的なことをやっているらしいですが、政治のことは何が本当なのか実際のところは分からないです。


あとは有名な麻薬撲滅の件です。フィリピンは大麻とか中毒性のないNatural系ではなく、覚せい剤がほとんどです。この間フィリピンの麻薬アクション映画をホストファミリーと見たのですが、覚せい剤の世界ってやばいです。スラムで容赦なく血が飛び交って・・みたいなシーン見ていると実際はもっと惨いはずです。麻薬に関しては個人的にすごく許せない経験があって、心から嫌いです。グレー人まで巻き込むのは絶対にいけない。でも一方で状況を好転させるにはここまで圧力かけないと変わらないのかもとも思います。また汚職は国の成長を大きく抑え込みますよね。日本や他国はどのように改善してきたのか気になっているので調べます。
フィリピンはカトリック大国ですが、大統領は無信教と公言していて、フィリピン人の友達は「どの神も信じていないから麻薬に関してもこんなことができるのかと思うと怖い」と言っていました。

 


植民地国の典型な縦社会であるフィリピンではもちろん大統領のこと悪く言うことはできないと思うので、政治の捉え方って難しいです。

住む場所、環境、国、メディアによって見え方が全く違った経験でした。