わたしのフィリピン青年海外協力隊日誌

2018年11月~2020年11月の二年間、JICA海外青年協力隊、コミュニティ開発隊員としてサマール島に派遣。バセイ町役場農業課に勤務。地域のおばちゃんたちと生計向上プロジェクトに奮闘中。現地弁、ワライワライ語にも奮闘中。

交通手段について

フィリピンの交通手段は、所謂東南アジアのそれと同じような感じで、ここバセイには車、モーターバイク、大型バス、バン、自転車、ジプニー、トライシクル、ハバルハバル、ペディキャブ、パンボートなどがあります。
以下の特徴を記載してみると、
・車:車が買える所得層の人のみ持つ。バセイでは、町役場部署内で役職をもつ地位以上くらいでないと持てない。
・モーターバイク:モーターが買える所得層の人のみ持つ。バセイでは、町役場部署内に正規社員で働く男性は所持、女性は家族のモーターに二人乗り。バランガイ(日本でいう"字"サイズの区)間の移動が可能。
・大型バス:公共交通手段。3~6時間ほどの長距離移動用。
・バン:公共交通手段。30分~2-3時間の距離の移動用。
・自転車:地元の子供が乗り回しているくらい。暑いので自転車なんかに乗っていられない。
・ジプニー:公共交通手段。窓なし手作り小型バス。町と町の移動用。一般市民の交通手段。
・トライシクル:公共交通手段。モーターにお客用の座席と屋根をくっつけた乗り物。バランガイ間、街中の移動用。一般市民の交通手段。
・ハバルハバル:公共交通手段。モーターに屋根をつけたもの。運転手さんの後ろに座る。一般市民の交通手段。
・ペディキャブ:公共交通手段。自転車にお客用の座席と屋根をつけたもの。街中やバランガイ内など狭いエリアのみ。バセイの街中には、このおにいちゃん・おじさんたちが溢れかえるようにスタンバイしている。一般市民の交通手段。
・パンボート:公共交通手段。街間の移動。いつもバセイから隣町タクロバンまで行くのに利用している。島の多いフィリピンは陸路よりも海路のほうが近い場合がある。一般市民の交通手段。

というかんじです。


公共交通手段を使うのは地元の人の暮らしや景色を見たり、蒸し暑さや込み具合を体感するにはもってこいですよね。

 

そこで私がここバセイでどのような乗り物で移動しているかというと、車や町役場のバンです。80%エアコン効いていて超快適です。
ボランティアのうち、わりと都市部に派遣される看護隊員・教師隊員・観光隊員などに対して(病院や学校がある)、農村部に派遣される農業隊員やコミュニティ開発隊員等は、移動が難しいため、モーターの研修を受けて各自のモーターが支給されます。でもわたしはなぜが(モーター)バイク隊員として登録されませんでした。JICAの規定でボランティアは全員、バイク隊員でない限り、現地でモーターに乗ってはいけないことになっています。
そこで移動手段がない!!と困るわけですが、
ここバセイで、わたしはバセイ町長さんの家にホームステイをしています。
町長さんは一期3年の3回満期で就任している、人気でとてもいいひと、責任感のあるかたです。わたしのことをとーーーっても心配してくれます。そこで町役場の7人ほどいるドライバーさんのうち、1人を「ユウコ用のドライバー兼ボディーガード」として手配してくれました(前任ボランティアのかたも同じようにしてもらったそうで)!
というわけで毎回の活動時はDoor to Doorのサービスをしてもらっているのです。贅沢ですよね。
町長さんだけでなく、部署内のみんな、加えて活動の受益者となるおばちゃんたちもが、ひとりで歩かないで!モーターは絶対だめだからね!ジプニーもひとりで乗ったら危ないから!ドライバーのクヤのサービスだけ使ってよ!と声を揃えて皆でボディーガードをしてくれます。
今日は、組合のおばちゃんたちが、「ゆうこが帰るまで見届けるのが責任だからね!」とドライバーのクヤが来るまでいつものように一緒に待ってくれました。

 

公共交通手段なら大丈夫じゃん、と日本人の私は思うところですが、ここ農村部バセイのみんなから見たら、日本人で分かりやすいしメイヤーの家に住んでる子に何かあったらジーザスの顔も見れないわ、というかんじです。
こんなに箱入り娘になったことは人生に一度もなく、不自由なこともあります。でも贅沢な暮らしもしています。
フィリピンという他世界に来たけれど、わたしが住んでいる農村部の世界はとても小さくて、でも深く深く、ひとりひとりの世界の見方の違いを発見しています。