わたしのフィリピン青年海外協力隊日誌

2018年11月~2020年11月の二年間、JICA海外青年協力隊、コミュニティ開発隊員としてサマール島に派遣。バセイ町役場農業課に勤務。地域のおばちゃんたちと生計向上プロジェクトに奮闘中。現地弁、ワライワライ語にも奮闘中。

人の国の食べ物を食べることと、自分の国の食べ物を食べてもらうことについて

今日は食べ物と人の感情の話。

 

去年、任地バセイ町に住み始めた時、日本のことを知ってもらいたくて、日本の食べ物だよ!と何回かラーメンやきそばお好み焼き餃子など振舞ったことがある。実際のところ、皆の反応は毎回まあまあ・いまいちな感じだった。唯一とても気に入ってくれたのは、日本含め国外のことに興味があり、頻度高く外食でき、他国の食事を試すことのできるメイヤー娘と、日本に言ったことがあるそのお母さん(現メイヤー)だった。そりゃ試したことのない食べ物と、見たことない色、嗅いだことのない匂いなので、抵抗感と食が進まない感覚は理解でき、農村部の彼らの食に対する受け身姿勢と知らないものへの怖さ/興味の低さには納得となるほど、そんな学びをした。

その頃私は、ラーメンとか抹茶とか寿司とか、他国の人も知っているものだと勝手に思い込んでいたのだが、「日本食ってなに?」と皆が?だったので、なんで勝手な誤解!と反省した。日本食は美味しくて有名、とアホで天狗で自分勝手な考えをしていたなとその時分かった。

 

そして今日、私が通うジムにてボルダリングした後、みんなにラーメンを振舞った。ジム友達たちに本物のラーメンが食べたい!と言われたので、一時帰国した際にラ王豚骨5袋セット(ただの即席だけれど)とついでに日本酒やら梅酒を買って帰った。本来のラーメンの具はないので、使ったのは小松菜と細ネギとソーセージだけ。どうなるか自分でも疑問だったが、できたよ!と振舞うと、皆たかるように集まり、とっても喜んで食べてくれた。日本食をお代わりするピノイを実は初めて見た!この姿を見て、なんだか私は本当に嬉しくて嬉しくて、とてもハッピーで幸せな気分になった。醤油をかけたり唐辛子かけたり、白米のおかずとして食べたり、パンを浸してみたりピノイ流に色々だったが、好いてくれたようだった。

 

ここから分かるのは、まず1つ、先ほども言った街と農村部の人の食への興味の差。肌で、目で、感じることが出来た。

 

2つ目、振舞った食事を受け入れてくれる・好いてくれるもしくは興味を持ってもらえることが、どれだけ人の心を嬉しくさせ、壁をとって心を開きたいと思うかに繋がるか、を自分の感情の変化を通して強く考えさせられた。

例えば逆の立場の場合、私達のプロジェクトの受益者であるバセイのおばちゃんたちが私にご飯を振舞ってくれるとき。午前中おばちゃんにインタビューに行き、お昼になると、毎回朝釣りたての魚の揚げ物と焼き魚、白米、海ブドウと、こっそりトゥバというココナッツワインを出してくれる。この村のごはんがまじでとっても美味しいので、私はどの同僚よりもどのおばちゃんよりもバクバク食べる。うわあこれ美味しい、うわあこれも美味しい、と毎回食べまくってるうちに、いつのまにかこの村のおばちゃん達とぐっと仲良くなれていた。この時は、一緒に飲んだし心開いてくれてよかった!くらいにしか捉えていなかったが、おばちゃんたちが私を受け入れてくれたのは、彼らの食事を受け入れて好きになっておかわりして食べた私を通して、私に受け入れてもらえたことに対して、思っていた以上に結構ハッピーになってくれたのでは。

 

3つ目、食べ物とは、人が生きるなかで根幹のトピックになっているようで、なぜだか分からないけれど、「人」を受け入れてもらう・受け入れることにも繋がってくる。モノや服とかよりもそんな力が強いと思う。興味深い。

 

4つ目に。

フィリピンに来る前からも含めた農村部での様々な経験を通して、私個人的には、食べ物たべろたべろ攻撃は全然好きじゃないし、自分の好みの食事と分量を選びたい、食べる側気持ちが大事、という強い考えがあった。でも、今回のラーメンストーリーを通して、食べてもらえる側の幸福感、という新しい側面の感覚を知ることができた。

そこで、世界の田舎のたべろたべろ攻撃のことを考えてみる。美味しい食べ物が余るほど沢山あるとか、お客さんに対する歓迎のしきたりとかの側面は一度置いといて、もしかしてこれは彼らの受け入れてほしい攻撃なのかもしれない。心のどこかで、「(ここは街と離れているけど)僕たちは僕たちですよ!こんないいところなのよ!」っていう気持ちがあるのかな?一方で、「ここはいいところよね?」というのは、私が「日本食しってるでしょ?」という気持ちを持っていたのと同じような一方的な感覚に近いのかもしれない。つまり見えてる世界が狭いから起こってしまうことなのかも。

 

 

ところで、私は「食」への興味がめーーーーーちゃくちゃある(また他の回で話すかもしれない)。なので、今回食べ物がもたらす見えない大きい力を感じられ、またまた興味が深くなった。わたしの人生のなかで、一番大きなトピックとしてずっと付き合っていくテーマなんだと思った。

 

 

ちょっと今日は頭がこんがらがってうまくまとめられませんでした。ごめんなさい!

 

以上!