わたしのフィリピン青年海外協力隊日誌

2018年11月~2020年11月の二年間、JICA海外青年協力隊、コミュニティ開発隊員としてサマール島に派遣。バセイ町役場農業課に勤務。地域のおばちゃんたちと生計向上プロジェクトに奮闘中。現地弁、ワライワライ語にも奮闘中。

活動について

一年経ってやっとだけれど、私の活動について書きます。

 

まず始めに、簡単な毎日のスケジュール。

朝6時前に起床、7:15頃に役所の乗合バンに乗り、7:40バセイ町の村役場、農業課の職場に到着。役場職員は8:00~5:00の平日週5日が勤務日なので、基本的には同じように出勤。ここを拠点として受益者の住む村に週3~4回出かける。オフィスにいる際は、ワークショップ用の書類作成、JICA提出用の書類作成、その他調査、同僚とだべったりおやつを食べたり、余った時間は英語の勉強。お腹が減ったら各自ランチ、私は部署の隣にある小さいCanteenで毎食60~100円で安ウマランチ。フィールドに出ている際は村のもっと小さいCanteenでランチ。5:00には役所の乗合バンで帰宅、もしくはジムに向かう。

 

配属先の農業課は正規非正規含め約30人、農業課長、私のスーパーバイザーは小柄だが超優秀、私が超尊敬しているAgriculturistの女性。部署の部屋は小さく到底30人を収容できるサイズではないので、だいたいメンズはフィールドに出たりや外の溜まり場でうろうろorだべってしている。部署内基本備品は、壊れかけて効きが悪い&水漏れしてるエアコン1台、共有パソコン2台、デスクは7台、超弱いWifi1台、冷蔵庫1台がある。私のデスクはこのオフィス内にある。1/7のデスクを占有してしまって恐縮である。プロジェクト分野は漁業、米、コーン、クロップ(その他野菜)、家畜に分かれ、水牛・ヤギ・カモの育種場ももつ。フィリピン最貧島のサマールの産業は農業に支えられているため、特に米作、また沿岸沿いに位置するバセイは特に漁業に注力したプロジェクトをもつ。

f:id:mangoparadise:20191121175552j:plain農業課部署


f:id:mangoparadise:20191121175456j:plainわたしのデスク

f:id:mangoparadise:20191121175640j:plainたむろう同僚ガイズ

 

私が「コミュニティ開発」という分野でボランティアとしてやっている活動は、バセイ町内51村あるうち沿岸沿いの4村に対するもの。2013年に超大型台風ヨランダがバセイ、タクロバンにぶちあたり、たった一夜で約8000人が亡くなった。この緊急復興プロジェクトとしてJICAが現地の水産省傘下のBFARという政府機関と、バセイ町役所と協力して、バセイ沿岸部に魚の養殖ケージ40棟と食品加工場4つを寄贈した。そもそも養殖ケージでとれたミルクフィッシュという魚(フィリピンの国魚かつフィリピン人に非常に身近な魚)を加工所に持っていき加工、付加価値をつけて販売、という構想があった。しかし現状、養殖ケージは現在使用されているものの、食品加工所はほとんど使用されていない。JICA母体からとしての支援は終わったということで、私の前任者ボランティアが2017年半ば~2018年半ばまで一年間、私が2018年終わりから2020年終わりまでの2年間入り、加工所の部門のケアをボランティアが担うことになったという形である。なので要請は、要はODA投資のなかなか上手くいっていない部分を引継ぎ、稼働させることである。加工所は4つの女性組合(婦人会)に使用権利が与えられており、私は毎日このおばちゃん・お母さんたちのもとを訪れ、加工作業を見せてもらったり、一緒にマーケティングしたり、継続的な生産ができるようビジネスプランを考えたり、というようなことだ。私個人ボランティアとしては、施設の使用され方よりもおばちゃんたちにフォーカスして、魚の加工だけでなく、その他食品生産、モノの生産やその他収益になる活動も含め、継続的に、なるべくおばちゃんがハッピーになれるよう活動している。

 

フィリピン隊員は赴任後3ヵ月でPCM研修というのを受ける。Product Cycle Managementと言って、開発分野でよく使われる手法なのだがこれがなかなかいい。コミュニティ開発隊員は赴任前にもHow to PCMの研修を受ける。このPCMを通してボランティアは基本的な活動計画を立てて、数か月ごとにレビューと修正をしていく。私のアップデート前の活動計画は以下。

 

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もっと具体的な活動を言うと、

前半一年はフィールド調査、情報集め活動のために色んなところに歩きまくり(済)、後半1年は方向性をマーケティング活動を中心に進める予定だ。

前半1年なにをやっていたかというと、組合の細々とした加工活動や会議参加、農業課漁業チームや水産省傘下BFARの会議への参加、漁業ケージの視察、付加価値を付けられるようなポスターやラベルの作成、現在の数少ない顧客と会ったり、プロジェクトに関わるタクロバン市役所の関係者に協力をお願いしたり、組合員おばちゃん達へのインタビュー、ランダムに漁師のおじちゃんお兄ちゃんたちへのインタビュー、タクロバンやバセイの漁業卸業者、小売業者へのインタビュー、タクロバン市場を牛耳るキーパソンへのインタビューなどなど。インタビューを通して、おばちゃんに対しては、そもそも加工所や組合に期待することや生活状況、家族構成、生業、漁業組合との繋がり、漁師のおじちゃんに対しては契約状況、生活状況、よく採れる魚など、結構頑張って、75人と話しデータを集めることができた。マーケットの卸関係者には、仕事内容、流通魚や加工魚へのニーズなどを調査した。

これらの活動を通して、何が問題で、どのような組織がどのように絡んでいて、なにならできてなにはできないか、なにを優先するべきか、と情報を集めた。

そして一年経ち、やっと今後の細かい方向性が決まってきたという流れだ。

 

おばちゃんたちの加工所がなんでうまく利用されていないか、というのは頭が痛いくらい色んな問題が絡んでいるのだけど、この話は次回。

 

今日はここまで!